旅館業施行条例

旅館業法施行条例をここに公布する。

第1条(趣旨)

この条例は、旅館業法(昭和23年法律第138号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるとともに、地方自治法(昭和22年法律第67号)第228条の規定に基づき、手数料に関し必要な事項を定めるものとする。
全部改正〔平成12年条例23号〕

第2条(社会教育施設等の指定)

法第3条第3項第3号の条例で定める施設は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 社会教育法(昭和24年法律第207号)第5章に規定する公民館
(2) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館及び同法第29条に規定する博物館に相当する施設
(3) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館
(4) 都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条第1項に規定する都市公園
(5) その他、教育、文化及びスポーツ施設等主として多数の児童生徒の利用に供されるものであつて、知事が告示で指定するもの

第3条(許可に際して意見を求める者)

法第3条第4項の規定により、知事が意見を求めなければならない者は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 国又は独立行政法人が施設の設置者であるときは、当該施設の長
(2) 地方公共団体が施設の設置者であるときは、当該施設を所管する地方公共団体の長又は教育委員会
(3) 前各号以外の施設にあつては、当該施設の所在する市町村の長
一部改正〔平成12年条例80号〕

第4条(衛生措置の基準)

法第4条第2項の条例で定める衛生措置の基準は、別表第1のとおりとする。
一部改正〔平成15年条例11号〕

第5条(宿泊を拒むことができる理由)

法第5条第3号の条例で定める理由は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 宿泊しようとする者が、でい酔し、又は言動が著しく異常で他の宿泊者に迷惑をかけるおそれがあると認められるとき。
(2) 宿泊しようとする者が、身体又は衣服等が著しく不潔であるために、他の宿泊者に迷惑をかけるおそれがあると認められるとき。

第6条(構造設備の基準)

旅館業法施行令(昭和32年政令第152号)第1条第1項第11号、第2項第10号、第3項第7号及び第4項第5号の条例で定める構造設備の基準は、別表第2のとおりとする。ただし、季節的に利用されるもの、交通が著しく不便な地域にあるものその他特別の事情があるものであつて、かつ、公衆衛生の維持に支障がないと知事が認めるものについては、当該基準によらないことができる。
追加〔平成15年条例11号〕

第7条(衛生措置基準の特例)

知事は、ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業の施設のうち、季節的に利用されるもの、交通が著しく不便な地域にあるものその他特別の事情があるものについては、第4条に定める基準に関して特例を定めることができる。
一部改正〔平成15年条例11号〕

第8条(手数料)

法第3条第1項に規定する営業の許可又は法第3条の2第1項若しくは第3条の3第1項に規定する地位の承継の承認を受けようとする者は、次の表に定める手数料を納付しなければならない。

名称単位金額
1.旅館業許可申請手数料1件につき22,000円
2.旅館業の許可を受けた地位の承継の承認申請手数料1件につき7,400円

追加〔平成12年条例23号〕、一部改正〔平成15年条例11号〕

第9条(手数料の納付時期)

手数料は、営業の許可又は地位の承継の承認を申請する際に納付しなければならない。
追加〔平成15年条例11号〕

第10条(手数料の不還付)

既に納付された手数料は、還付しない。ただし、知事が特別の理由があると認めるときは、この限りでない。
追加〔平成12年条例23号〕、一部改正〔平成15年条例11号〕

第11条(過料)

詐欺その他不正の行為により、手数料の徴収を免れた者に対しては、その徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは、5万円とする。)以下の過料に処する。
追加〔平成12年条例23号〕、一部改正〔平成15年条例11号〕

第12条(規則への委任)

この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
追加〔平成12年条例23号〕、一部改正〔平成15年条例11号〕

別表第1(第4条関係)

(1) 換気
換気口、窓その他の開口部は、努めて開放し、常に新鮮な外気の供給を行うこと。
(2) 採光及び照明
施設内は、適度な採光又は照度を有するものであること。
(3) 防湿
ア 排水設備は、常に雨水及び汚水の排水に支障がないようにすること。
イ 客室の床が木造であるときは、床下の通風を良好にすること。
(4) 清潔
ア 客室、浴室、便所その他施設の内外は、毎日掃除すること。
イ ねずみ及び昆虫類の発生防止及び駆除に努めること。
ウ 感染症患者又はその疑いのある患者を宿泊させたときは、患者の使用した客室その他の場所及び物品は、適当な消毒を施した後でなければこれを使用しないこと。
(5) 寝具類
ア 宿泊者が使用する寝具、座ぶとん等は、随時日光にさらす等適当な方法により湿気を除き、かつ、清潔にしておくこと。
イ 宿泊者が使用する敷布その他白布、貸衣等は、使用ごとに洗濯して清潔なものを使用すること。
(6) 浴室及び脱衣室
ア 浴室及び脱衣室は、換気及び採光をよくすること。
イ 共同浴室には、適当数の洗面容器及び腰掛けを備えること。
ウ 脱衣棚及び脱衣かごは、適宜消毒を施すこと。
エ 水道法(昭和32年法律第177号)第3条第9項に規定する給水装置により供給される水(以下「水道水」という。)以外の水を使用する原湯(浴槽内の湯水(以下「浴槽水」という。)を再利用せずに浴槽に直接注入される温水をいう。以下同じ。)、原水(原湯の原料に用いる水及び浴槽水の温度を調整する目的で浴槽水を再利用せずに浴槽に直接注入される水をいう。以下同じ。)、上がり用湯(洗い場又はシャワーに備え付けられた湯栓から供給される温水をいう。以下同じ。)及び上がり用水(洗い場又はシャワーに備え付けられた水栓から供給される水をいう。以下同じ。)並びに浴槽水は、規則で定める基準に適合するよう水質を管理すること。
オ 原湯を貯留する槽(以下「貯湯槽」という。)内の湯水全体の温度を、通常の使用状態において摂氏60度以上に保ち、かつ、最大使用時においても摂氏55度以上に保つこと。ただし、これにより難い場合には、レジオネラ属菌が繁殖しないように貯湯槽内の湯水の消毒を行うこと。
カ 定期的に貯湯槽の生物膜の状況を監視し、生物膜の除去を行うための清掃及び消毒を行うこと。
キ 浴槽水(入浴者ごとに完全に換水する浴槽水を除く。)は、常に満杯状態に保ち、かつ、十分にろ過した湯水又は原湯及び原水を供給することにより溢水させ、清浄に保つこと。
ク 浴槽水は毎日、完全に換水すること。ただし、これにより難い場合にあつては、1週間に1回以上完全に換水すること。
ケ ろ過器を使用している場合にあつては、1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出するとともに、循環配管(湯水を浴槽とろ過器との間で循環させるための配管をいう。以下同じ。)について適切な消毒方法で生物膜を除去し、浴槽を清掃すること。
コ 浴槽水の消毒に当たつては、塩素系薬剤を使用し、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定して、通常1リットル中0.2ミリグラム以上を保ち、かつ、1リットル中1.0ミリグラムを超えないよう努めるとともに、当該測定結果を検査の日から3年間保管すること。ただし、原水若しくは原湯の性質その他の条件により塩素系薬剤が使用できない場合又は原水若しくは原湯の水素イオン濃度が高くこの基準を適用することが適当でない場合であつて、他の適切な衛生措置を行うことを条件として知事が認めたものについては、この限りでない。
サ 循環配管を設置している浴槽の浴槽水を、塩素系薬剤を使用して消毒する場合にあつては、塩素系薬剤は、ろ過器の直前に投入すること。
シ 消毒装置の維持管理を適切に行うこと。
ス 集毛器は、毎日清掃すること。
セ 洗い場の湯栓やシャワーに湯水を送る調整箱は、定期的に清掃を行うこと。
ソ 水質検査は、毎日完全に換水している浴槽水にあつては1年に1回以上、塩素系薬剤を使用して消毒している連日使用型循環浴槽水(24時間以上完全換水しないで循環ろ過している浴槽水をいう。以下同じ。)にあつては1年に2回以上、塩素系薬剤を使用しないで消毒している連日使用型循環浴槽水にあつては1年に4回以上行い、その結果は、検査の日から3年間保管すること。
タ ソに規定する水質検査の結果、水質がエで規定する基準に適合しない場合には、その旨を知事に届け出ること。
チ 浴槽の縁からあふれた湯水を回収する槽(以下「回収槽」という。)の水を浴用に供しないこと。ただし、これにより難い場合にあつては、回収槽の壁面の清掃及び消毒を頻繁に行うとともに、レジオネラ属菌が繁殖しないように、回収槽の水を塩素系薬剤で消毒すること。
ツ 浴槽に気泡発生装置、ジェット噴射装置等微小な水粒を発生させる設備(以下「気泡発生装置等」という。)を設置する場合には、連日使用型循環浴槽水を使用しないこと。
テ 打たせ湯及びシャワーには、循環している浴槽水を使用しないこと。
ト 入浴者の見やすい場所に、入浴者が遵守しなければならない事項を掲示する等、入浴者に公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をさせないよう注意を呼びかけること。
ナ 浴槽水を河川及び湖沼に排水する場合には、環境保全のための必要な処理を行うこと。
(7) 洗面所
ア 洗面所には、飲用に適する湯又は水を十分に供給すること。
イ 洗面容器は、常に清潔に保ち、洗面具は、消毒したものを提供すること。
(8) 便所
ア 便所は、防臭剤を使用する等臭気の除去に努めること。
イ 手洗い用として石けん又は消毒薬を常備すること。
(9) 客室の定員
ア ホテル営業、旅館営業及び下宿営業にあつては、3平方メートルにつき1人とすること。ただし、修学旅行等多数人の団体宿泊の場合であつて、公衆衛生上支障がないときは、この限りでない。
イ 階層式寝台を有しない簡易宿所営業にあつては、1.6平方メートルにつき1人とすること。
(10) 日常の管理
衛生管理のための自主管理手引書及び点検表を作成して、従業者に衛生管理について周知徹底させるとともに、営業者又は従業者のうちから日常の衛生管理に関する責任者を定めること。
追加〔平成15年条例11号〕、一部改正〔平成16年条例28号〕

別表第2(第6条関係)

1 ホテル営業、旅館営業及び簡易宿所営業の施設の構造設備の共通基準
(1) 建物の位置は、高燥で排水の良好な場所であること。
(2) 客室は、次の要件を満たすものであること。
ア 調理場、便所、下水溝等から適当な距離を設け、臭気の及ばない構造であること。
イ 換気及び採光に必要な開口部は、自由に開閉できる窓又はそれに代わる構造設備であること。
ウ 客室は、天井を張り、天井の高さは、2.10メートル以上であること。
エ 和式の構造設備による客室は、他の客室、廊下等との境を壁、板戸、ふすま等で区画し、他の客室を通じないで、出入りすることができる構造であること。
オ 客室ごとに紙くず入れを備え付けること。
(3) 調理室は、次の要件を満たすものであること。
ア 換気、採光及び照明が十分であり、掃除に便利な構造であること。
イ 窓その他の開口部には、ねずみ、昆虫等を防ぐ構造設備があること。
(4) 浴室は、次の要件を満たすものであること。
ア 外部から見通せない構造であること。
イ 床は、コンクリート、タイル等不浸透性の材料で作られていること。
ウ 適当な大きさの脱衣室が、別に設けられていること。
エ 水道水以外の水を原水、原湯、上がり用水又は上がり用湯として使用する場合には、当該水の水質を規則で定める基準に適合させるために必要な設備が設けられていること。
オ 貯湯槽には、貯湯槽内の湯水全体の温度を、通常の使用状態において摂氏60度以上に保ち、かつ、最大使用時においても摂氏55度以上に保つ能力を有する加温装置を設置すること。ただし、これにより難い場合には、レジオネラ属菌が繁殖しないように貯湯槽内の湯水を消毒できる設備が備えられていること。
カ 原水及び原湯を送水するための配管は、ろ過器及び循環配管に接続せず、浴槽水面上部から浴槽に落とし込む構造であること。
キ ろ過器等を使用して浴槽水を循環させる場合には、次の構造設備の基準によること。
(ア) ろ過器は、1時間当たりで浴槽の定量以上のろ過能力を有したものであり、ろ過器のろ材は、十分な逆洗浄が行えるものであること。
(イ) ろ過器の前に集毛器を設置すること。
(ウ) 循環している浴槽水が浴槽の底部に近い部分で補給される措置が講じられていること。
(エ) 浴槽水の誤飲を防ぐための措置が講じられていること。
(オ) 浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤等の注入口又は投入口は、浴槽水がろ過器内に入る直前に設置されていること。
ク 回収槽の湯水を浴用に使用しない構造であること。ただし、これにより難い場合には、回収槽は、地下埋設を避け、清掃が容易に行える位置又は構造になつているとともに、レジオネラ属菌が繁殖しないように、回収槽の水を消毒できる設備が備えられていること。
ケ 浴槽に気泡発生装置等を設置する場合には、連日使用型循環浴槽水を使用する構造でないこと。
コ 打たせ湯及びシャワーは、循環している浴槽水を用いる構造でないこと。
サ 気泡発生装置等の空気取入口から土ぼこりが入らないような構造であること。
シ 内湯と露天風呂の間は、配管等を通じて、露天風呂の湯が内湯に混じることのない構造であること。
ス 汚水を停滞することなく、下水溝に排出できる構造設備であること。
(5) 共同用の洗面所には、適当な数の洗面容器を備えること。
(6) 便所は、次の要件を満たすものであること。
ア 調理室と接続して設けられていないこと。
イ 各階に共同用の便所を設けること。ただし、各客室に便所を設ける場合は、この限りでない。
ウ 窓その他開口部には、ねずみ、昆虫等を防ぐ構造設備があること。
エ 流水式手洗い設備が設けられていること。
(7) 寝具類は、定員数以上を有すること。
2 ホテル営業の施設の構造設備の基準
(1) 客の収容定員数に応じた適当な規模のいす及び卓子を有する食堂が設置されていること。
(2) 適当な規模の従業員室を設けること。
3 旅館営業の施設の構造設備の基準
便所の便器の数は、大便器2個及び小便器1個以上を有すること。ただし、大便器で小便器を兼用できるときは、小便器を置かないことができる。
4 簡易宿所営業の施設の構造設備の基準
(1) 出入口には、客の履物を保管する設備を有すること。
(2) 客室には、更衣戸棚又はこれに相当するものが設けられていること。
5 下宿営業の施設の構造設備の基準
(1) 1客室の床面積は、4.9平方メートル以上とすること。
(2) 和式の構造設備による客室は、他の客室、廊下等との境を壁、板戸、ふすま等で区画し、他の客室を通じないで、出入りすることができる構造であること。
(3) 各室に寝具類を格納できる設備を有すること。
(4) 適当な数の寝具を有すること。
追加〔平成15年条例11号〕、一部改正〔平成16年条例28号〕