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沖縄市の行政書士酒井のブログです. . .
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どうも!
沖縄市の行政書士酒井です。
今日は中部保健所で、旅館業(簡易宿所)の許可申請前の最終確認に行ってきました。だいぶ前から打ち合わせしていた戸建て3棟について話を聞いてきました。
ちょっと前(今年3月か4月くらい)までと、旅館業法の簡易宿所に関する運用が変化してきてるような話を聞いたので申請する前にもう一度確認してきました。
旅館業法上、以下の3つの種類があります。(下宿は全くと言っていいほど無いので記載してません)
ホテル営業 | 宿泊の態様が洋風であるような洋式の構造及び設備を主とする施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの。10室以上と食堂 |
旅館営業 | 宿泊の態様が和風であるような和式の構造及び設備を主とする施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの。5室以上 |
簡易宿所営業 | 宿泊する場所(客室)を多数で共有する構造及び設備を有する施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で下宿営業以外のもの。33㎡以上 |
この分類でいくと、10部屋以上客室がある場合でレストラン付きは「ホテル営業」になり、5室以上なら「旅館営業」、客室数が5未満なら「簡易宿所」ということになります。
洋風だの和式だのと法律で明記されていますが、このよくわからない基準はあまり問題になりません。有名な温泉地などにある和風で客室数が何十室もあって、食事もできるようなところは、その外観のイメージでは「旅館」と呼ぶような気がしますが、上記の基準で行けばホテルになるんでしょうね。
そんなことはどうでも良くて、問題は表の一番下の簡易宿所です。
もともとの簡易宿所は、大部屋に何人も宿泊する、ドミトリーのようなものが想定されていました。
ここ数年で普通の住宅などを利用した「民泊」が増えてきて、これは一戸建ての住宅を利用することも多いですが、3LDKとか4LDKの住宅は、3または4の部屋にベッドなどを置いて1客室と数えても、5部屋を超えないので旅館じゃない・・・さあどうする?ということで、こういう建物は簡易宿所に組み込んでしまえ!と、客室の最低面積の要件を緩和するなど、ちょこちょこと法律が改正され、法律と実態とを無理やり擦り合わすようにして運用されてきました。
県の保健所では、当初、というか今年の春(5月くらい)、までは、一戸建ての住宅は各部屋を1つの客室とするのではなく、1棟の建物全部を1室としてとらえて許可申請を受け付けていました。簡単に言えば、1棟の住宅をホテルや旅館の1客室のように扱っていたといえばいいんでしょうか?
が、今年の春ごろから、前触れもなくちょっと変えてきたんですね・・・
厄介な方向に・・・
1棟の建物を1室とする考え方だと、仮に定員が4名だとして、2名が既に宿泊してるというときに、後から2名の宿泊の申し込みがあっても、「空室なしです」と言うことができました。(のかな?)
ところが最近は、本来の簡易宿所に原点回帰し、ドミトリーのような営業と考えるようになったようで、定員4名のところに2名宿泊中の一戸建ての建物に、後から先に宿泊している2名とは全く関係ない2名が宿泊を申し込んできたら拒んではいけないということになっているようです。
そんなの関係ない、後から来た2名を断ってしまおう!というのは、旅館業法上ダメなんです・・・
【旅館業法第五条】
営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。
一 宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。
二 宿泊しようとする者がとばく、その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞があると認められるとき。
三 宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。
法律以外に条例などにも、意味不明な言動をして迷惑かけそうな人は宿泊お断り、みたいな例も上がっていたと思います。(←正確な記載ではないです)
簡易宿所は、定員まで押し込んでいく宿泊施設であるから、定員までは希望者がいれば宿泊させる義務があり、事業者の都合で断っちゃダメ!ということです・・・
そんなの無視すりゃいいじゃん!というのは聞かなかったことにして、この考え方の違いは、申請のために施設の要件を整えるのに大きな影響を与えます。
何が問題かというと、それは、トイレ、脱衣所、洗面所、浴室などで問題となります。
ホテルの一室はこんな↓感じで、それぞれの部屋についていたりします。もちろんホテルなので、こういう部屋が他に10室以上あると考えてください。
これに対し、一戸建ての住宅の場合の水回りのよくあるレイアウトとしては、こんな↓のが多いです。
上のホテルの部屋に知らない人と一緒に押し込まれることは基本ないので、上の図のようなトイレと浴室と洗面が一緒になった部屋でも、知った者同士、一人がトイレに入っているときに、もう一人がシャワーを浴びたり、洗面台を使ったりできます。(夫婦、カップルでも嫌だ!とか、親しくもない同僚と出張で相部屋の場合は?ということはこの際言わないでください・・・)
一方、簡易宿所の方は、風呂に入ろうと脱衣所で服を脱ごうと思ったそのときに、見知らぬ他の宿泊者が歯磨きに来たなんてことになったら風呂に入れないということになってしまいます。(こちらは、見られても平気だ、減るもんじゃなし!なんて言ってはダメです)
つまり、以前の運用であれば、一戸建てでも、上のホテルと同じように考え、見知らぬ人が同じ建物に押し込まれることはないので、脱衣所や洗面台が独立していなくても許可されていたのですが、今は、脱衣所と洗面所が一緒になっていてはいけないので、洗面所を外に出すか、風呂の中に脱衣スペースを設けるかしないといけないのです。
だいたいの住宅は、浴室の前室に洗面台がありますよね・・・
一戸建てではあまり採用してないと思いますが、トイレと浴室が一緒で区切りがないユニットの場合はさらに難しくなります。
これから戸建てを新たに建築して、簡易宿所の許可を受けようと思っている方は、洗面所と脱衣所は分けておいたほうがいいです。
整備されていない旅館業法の簡易宿所の要件がグラグラと揺れるのはある程度仕方がないにしても、保健所が運用を変える場合、一定の周知期間を設けるべきだと思うのですが、しばらくぶりに保健所に行ったら、異動で人は変わってるし、前はこれでOKだったものが「許可できませんよ!」なんて言われるので面食らってしまいます。
まあ、いろいろと方法はあるのですが、長くなったので続きはまた今度。
では
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